Qt Quick 2でHello World
前回の記事でQt Creatorの設定が完了したので、Qt Quick 2のプロジェクトを作成して、Qt Creatorからネットワーク上のRaspberry Pi上で実行してみます。
プロジェクトの作成
Create Projectから「Qt Quick 2 application」を選択します。
適当に名前とパスを指定して次へ。Kitの選択で、Raspberry Pi用のKitにチェックを入れます。
ちなみに、Kitは作成済みのプロジェクトに、後から設定することもできます。
ビルドや実行などに使用するKitは、Qt Creatorの左にあるメニューから簡単に切り替えることができます。
プロジェクトの設定
実行の前に一旦プロジェクトの設定を確認します。Raspberry Pi -> RunのRemote Directoryを確認すると、「/opt/HelloWorld」などとなっています。
これはアプリのインストールパスで、Qt Creatorから実行ボタンを押した際にプログラムがコピー(転送)されるパスになります。
Raspberry PiへのアクセスはQt CreatorのDevicesで設定したアカウントでアクセスすることになりますが、そのアカウントにアクセス権が無いディレクトリの場合、転送が失敗して実行できません。
手段はいくつか考えられます。
- Devicesで設定するアカウントをrootなど、必要な権限を持ったものにする
- sshなどによって、あらかじめアクセス可能なディレクトリを用意する
- Qt Creatorのインストールパスを変える
今回は3つ目の手段をとります。
.proファイルの編集
プロジェクトの.proファイルを開くと、target.pathがコメントアウトされているのが分かります。これがインストールパスに当たるので、ここにアクセス可能なディレクトリを指定します。
# Installation path target.path = /home/pi/HelloWorld
設定後、再度プロジェクト設定を確認すると反映されているのがわかります。
この状態で再度実行すると、今度は成功し、Raspberry Pi上でプログラムが実行されます。